オルタ博物館(オルタの家) Musee Horta (Maison de Horta)

2000年、ブリュッセルにあるヴィクトール・オルタが設計したアール・ヌーヴォー様式の一般家屋4軒がユネスコ・世界遺産に登録されました。1893年オルタ設計のタッセル邸が最初のアール・ヌーヴォー建築といわれ、その後10数年間は当時工業国として繁栄していたベルギーの新興ブルジョワの間で、その様式がもてはやされ多くの家が建てられました。今でも数百(800とも)の建築が残っていますが、1960年代にはオルタの傑作も含め幾多の家が壊され、後になって多くの非難を浴びました。今後の維持・管理のためにもオルタの代表作が登録されたことは、大変意義あることだと思います。

1898年オルタが自宅兼事務所として建てました。当時の家はそろって間口が狭く、半地下がキッチン・倉庫、地階以上は各階とも3つの部屋が奥に延びる単純な造りでした。オルタは窓を大きくして明かりを取り入れるだけでなく、中央に吹き抜けと階段を設置し、さらに各階に段差をつけることによって、屋内がより明るくなり、さらに家全体に統一感を与えることに成功しています。展示されている家具の中には、他の家からのものも含まれていますが、オルタは自身で全ての家具をデザインしましたから、その細部までゆっくりご覧下さい。

最初にショップでガイドブック(日本語あり)を購入してから各部屋を廻った方がいいでしょう。残念ながら、室内は撮影禁止です(2004年)。

左半分、2階までが客室・食堂、3階以降が家族3人のプライベートな空間。右半分は、設計事務所、そして最上階は使用人の寝室。裏に庭があります。 入り口です。4階吹き抜けの天井から、白大理石の階段まで柔らかい光が届いています。左にみえるのは、当時の一般の家庭には斬新な暖房器具です。
食堂とサロン
白レンガ、鉄、大理石、高級木製家具など、素材も大胆に組み合わされています。時代の変わり目で灯りもガスと電気が混ざっています。
(館内撮影厳禁です。この4枚の写真はカタログの写真を切り抜き加工したものです。)
オルタ夫妻の寝室。ベッドの横に便器があってちょっとびっくりさせられます。
この上が大きなガラスの屋根になっていて、たっぷりの光を取り入れています。両面に鏡を使って広く見せる工夫もされています。 家具や取っ手にいたるまでオルタ自身がデザインしたものです。
アートショップの地下の部分にも展示があります。代表作の人民の家(解体消失)の完成模型など。WCもここです。

王立美術館からは92番(Fort Jaco)、ルイーズ広場からは91(Stalle),92番のトラムで3つ目の停留所JANSON下車。進行方向に少し進んで日曜大工のスーパー「BRICO」の前を左に入るとRue Americaine、100メートルで到着です。
Rue Americaine 25
1060 Brussels
Tel. 02.543.04.90
Fax 02.538.76.31
E-mail : musee.horte@horta.irisnet.be

開館 : 14時−17時30分  
休日 : 月、祝日

入り口正面を上がった所で入場券を買います。入って右がアートショップ、ロッカーです。
オルタ作 イートヴェルデ邸1898年 ストローヴェン作 
自邸1901年
ホフマン作 ストックレー邸 1906−1911年

残念ながら、今回登録された4軒の中で常時一般公開されているのはこの「オルタの家」だけです。正直に書きますと、他のタッセル邸、ソルヴェー邸、イートヴェルデ邸のほうが豪華で、特にソルヴェー邸は目を見張るすばらしさなのです。この世界遺産登録をきっかけにして何とか全ての家が公開されるようになることを期待しています。(今でも事務所などとして使用されているので、見学するためには特別な手続きをして許可を得なければなりません。実際には非常に難しいです。)その他にもウィーン派の代表的な建築家ホフマンの傑作ストックレー邸もここブリュッセルにあるのですが、ここもまたその子孫が住んでいて、クリムトが手掛けた内部の写真公開もままならない状態です。