おすすめ読本

最近はベルギー・ルクセンブルグでくくったガイドブックも刊行され、又ベルギーがらみの副読本的な雑誌、書籍も出版されるようになりましたが、私達10年、20年とベルギーに住んでいるガイドにとっては物足りないものがほとんどでした。1999年出版のものでは、トラベル・ジャーナル発行のヨーロッパ・カルチャーガイドシリーズ「ベルギー」1800円が、恐らく採算をかえりみない企画で好感が持てました。が、しかし、やはり対象が多岐にわたるためか一つ一つの記事は説明調にならざるを得なかったようです。そのなかで、角取さんの記事はジャーナリスティックに取材をされていてベルギーの素顔に迫る素晴らしいものでした。やはり生の声が聞こえてくる副読本は、旅行をするときにもうれしいものですね。

と、前置きが長くなりましたが、「ベルギーお菓子物語」はそういう意味でもすばらしいガイドブックです。
淡々とベルギーでの生活体験、そしてもちろんお菓子のことを綴っていらっしゃいますが、そこからベルギーが感じられます。ベルギーはこんなに変わっている、こんなに素晴らしいところだという表現はなく、たまたまお菓子の修行をしたのはこんな所でした、という感じ。余分なものが全くありません。きっと、てらいのないストレートに楽しめるお菓子を作る方ではないかと思います。グルメの方、お菓子の好きな方だけでなく、是非この本と共にベルギーにお越し下さい。カフェや列車の中で一章づつでも読んでいくと旅行がより味わい深いものになると思います。


近藤冬子「ベルギーお菓子物語」東京書籍 

美術に興味のある方なら、 
フロマンタン「オランダ・ベルギー絵画紀行」岩波文庫は必携。

中世にタイムスリップしたい方には専門的ですが、「画家たちの祝祭」堀越孝一 小沢書店 が最高。ホイジンガー「中世の秋」中公文庫 まで行きつければすばらしい。

ベルギー旅行だけでなく、キリスト教と美術に関して少し詳しくなりたい方は「聖書」の他に、阿刀田高「旧約聖書を知っていますか」、「新約聖書を知っていますか」新潮文庫、中丸明「絵画で見る聖書」新潮文庫などが読みやすいです。


ブルージュにゆっくりされるなら「死都ブルージュ」ローデンバック著 岩波文庫 (2004年現在廃刊)がありますし、ビデオでオードリー・ヘップバーン主演の映画「尼僧物語」を見ておくのもいいでしょう。

ベルギービールを制覇する意気込みならマイケル・ジャクソン「地ビールの世界」柴田書店 があって睡眠薬の代わりにもなりますね。